組織診と細胞診って何?と検診結果の見方と今後の検査、治療方法について

<お詫び>

以前、掲載した際に誤りがございましたので訂正させていただきます。

謹んでお詫び申し上げます。(訂正2020.3.17)

訂正箇所→細胞診と組織診の表記がごちゃまぜになっていました。

違いについて更に詳しく掲載させて頂きました。

診断結果についても分かり易いサイトを紹介させて頂きました。

 

<お断り>

まず、基本の大切な情報は私が知り得た医学情報を基に記載しています。

但し、医学は日々変わる事もあります。

なので、現時点としておきます(2020.2.21記載)。

 

そして、文中の随所には私が思う事を書かせて貰っています。

なので、もし完全な医学情報が欲しい場合はこちらのHPをご覧ください。

♢国立がん研究センター がん情報センター

♢日本婦人科腫瘍学会 治療ガイドライン

こちらの婦人科腫瘍学会で出している治療ガイドラインを基にそれぞれの病院では「標準治療(=今現在ベストな治療法という前提で)」が構成されています。

 

<前置き…>

まず、大前提として各市町村で行われる子宮頸がん検診では”細胞診”が行われます。

検査を受けた事が無い方にとっては違いが分かりづらい”組織診”と”細胞診”と言う名前。

ですが、実際にはこの2つの検査は、検査の仕方、診方、表記が異なります。

 

まず子宮頸がん検診や妊婦検診等で行われる検診についての詳細はこちらの記事からどうぞ。

子宮がん検診について

そして今現在は、この検診(細胞診)による診断結果は「ベゼスタシステム」という方法での分類法と「日母分類」というクラス分類に2つによって評価が行われています。

 

その細胞診の結果によって今後行われる「精密検査」内容や頻度にも違いが出てきます。

診断結果はこちらのサイトが見やすいので良かったら参照してください。

茶屋町レディースクリニック「子宮頸がん検査(細胞診)の診断結果について」

そして、この診断結果を基に行われる「精密検査」内容は↓以下の通りになります。

 

<ASC-USの場合は>

ハイリスクHPV検査の実施

∟この検査で”陽性”の場合は、

コルポスコピー検査+組織診(通称「コルポスコピー組織診」)

 

∟検査結果で”陰性”の場合は、

6カ月~1年後にまた子宮がん検診で行った細胞診を受けます。

※コルポスコピー検査とはコルポスコープという子宮膣部拡大鏡(局部を最大40倍に拡大する)という医療器具を使って子宮膣部の表面を観察する検査のことを指します。

 

<ASC-H・LSIL・HSIL・SCCの場合は>

子宮頸部コルポスコピー+ねらい組織診で検査することになります。

 

その他にも(私の時には、)

・経腟・経腹超音波診断(子宮の様子をチェック)
・内診と直診(直診はお尻の穴に指を突っ込んで~硬さをチェック)

なども行われました。

※ねらい組織診は疑いのある所(病変部分)を切除鉗子(かんし)という器具を使って1か所~数か所採取します(プチっと取って)。

 

<AGC・AIS・Adenocarcinomaの場合は>

・コルポスコピー検査+組織診

・頸管及び内膜細胞診or組織診

 

その他にも、直診、内診、超音波診断もされると思います。

尚、腺がんの疑いがある場合や頸管内の見えない部分に病変がある可能性(疑い)がある場合は円錐切除術による病理診断検査を勧められることがあります。

 

<採取した組織診はどうするのか?>

病理医が詳しく検査して、組織の異常を病理診断「組織診にによる前がん病変の分類」で判定します。

 

<組織診による分類の前に、最初は…ちょっとした歴史を>

1997年から「前がん病変 異形成」=「0期」=”上皮内がん”と定義していました。

それから「0期=前がん病変 異形成」

「軽度」、「中等度」、「高度」「上皮内がん」という4分類法に分ける。

2008年頃になると(子宮頸癌の)進行期分類ができ、0期(表記)がなくなる

高度異形成と上皮内がん”を「CIN3」に一括した子宮頸部上皮内腫瘍(CIN)1~3で分ける3分類法に変更。

その時に”CIN3”を臨床的(実験的)に”前癌病変”としました。

 

でも、ややこしいので…

軽度異形成=CIN1

中等度異形成=CIN2

高度異形成+上皮内がん=CIN3

相当なので、

そのまま以前の呼び名を使う医師も多いです。

例:「中等度異形成」の時は「CIN2の中等度異形成」です。

(私が最初に治療した時は「CIN3の高度異形成 クラスⅢb」と言われました。

つまり、細胞診での日母分類(クラス)である”クラスⅢb”とベゼスタ分類による”CIN3(=高度異形成)”がセットになって伝えられていました。

これはきちんと理解しないとややこしくなる…

そして、もう一つの注意点が検査結果が出た後、”細胞診”なのか”組織診”での結果を言っているのかもきちんと確認することをお勧めします。

 

で、2014年頃からは‥

組織分類にも扁平上皮内病変をヒトパピローマウィルスの感染による「LSIL」と前癌病変としての「HSIL」の2つに分類。

 

だけど、これもややこしくて分かりづらいから…

<2017年に現在の形である>

CIN1(LSIL)、CIN2(HSIL)、CIN3(HSIL)としてCIN分類をそのまま残した形となりました。

※但し、今まではLSIL(CIN1)に分類されていた一部が、細胞の形態からHSILに分類されCIN2と判断されるという事が変わった点になります。

 

<腺癌の前癌病変については>

子宮頸部腺癌の前癌病変は上皮内腺癌(AIS)は皆に知れ渡ってるからこのままにしておきました!

だけど、腺上皮及び関連病変として今まで書いてた(診断してた)腺異形成については、「本当なの~?そんなのあるの~?」って疑われて、書類(WHO組織分類と規約)から消えちゃったから、うちでも(ガイドラインで)使うの辞めといたよー!

とりあえず、”AIS”を「子宮頸部腺癌の前癌病変」て事にしました。

 

という流れがあった為に現在の形になったと予想されます。

(疑われたから無くなっちゃったんかい…それって、どうなの?)

 

<まとめ>

つまり…

二つ表記あるけど結局は「新しいのだとグループ分けが広すぎるから。これじゃ分かりずらいから昔の呼び方と両方教えちゃうよ!」って事にしたんですね。

HSIL」のグループだと「軽度異形成~上皮内がん」まで含まれてしまうので、とりあえず「高度異形成」の時は「HSILのCIN3(高度異形成)」という事になりました。

 

私も最初「???」が浮かびながら説明されたのを憶えてます。

まさに、なぞの暗号でした。

 

<今後は…>

異形成」という言葉は使われなくなるそうです。

そうすると、今後ブログなどの医療体験記などの過去記事探す時表記が変わってしまうので見つからなくなりそうですよね…

私も変えないと駄目ですよね…

「SCCとHSIL(CIN3)」とかですかね。

※SCCとは子宮頸がん 扁平上皮がんの略後になります。

 

長々とした説明失礼いたしました。

で、本題の分類法がこちらです。

 

<組織診による前がん病変の分類>

※もう1つ注意が組織診と細胞診の診断で同じ表記が使われることがあるけど、それは別物と心得て頂ければと思います。

 

<また、軽度異形成と中等度異形成では受けられる(保険適用で)HPV検査があります>

保険適用の範囲で検査出来るのは現時点では↓こちらの時のみ。

※2020年7月にガイドラインが改定となったことによりHPV検査のシステムが少し変わりそうです。

詳細は、こちらです。

新たに、検診対象年齢と検診間隔、検体採取法を明示しました。また、従来より推奨している細胞診に加え、HPV(ヒトパピローマウイルス)検査単独法も推奨としました。HPV検査については判定結果毎の診療アルゴリズムが国内では未確定のため、検診としての導入には、その構築が必要です。

国立がん研究センターより引用

 

今までであれば↓こういった細かい決まりがありました。

・ハイリスクHPV検査が受けられるのは、

細胞診がASC-USの場合にコルポスコピー・組織診が必要かどうかを判断するとき。

・タイピング検査が受けられるのは、

組織診がLSIL(CIN1)orHSIL(CIN2)の経過観察時のリスク評価をするとき。

※このHPVの感染によるというのは現在海外で進展リスク(進行)の可能性が高いとされている8タイプ(16.18.31.33.35.52.58.45型)が陽性のLSIL(CIN1)又はHSIL(CIN2)場合は経過観察を厳重に行う様にしているそうです。

 

私はHSIL(CIN3)だったので保険適用外でした。

なので、主治医にも「やってもあまり意味ないですよ」と言われましたが、これはリスク評価する上で絶対必要じゃないの?って、一人で勝手に思っていました。

私としては、これ以上の”検査が必要かの指標”になるなら、どの”治療が必要かを知る指標”にもなり得ると思いました。

それで私は色んな本を読むと、やはり出て来ました!

やはり国が違えば、適用範囲も変わるという事が理解出来ました。

 

<追記>

改定が行われました。

この改定により私の第一印象は「ほ~ら、やっぱり!」でした(笑)

不謹慎で申し訳ないです。

ただ、今度からHPV検査を追加することが出来そうなので検査間隔もあけることが出来るので検査への時間的や心理的、肉体的な負担は減るのかなと思います。

それでも、懸念はまだあることを忘れてはいけません。

検査を受けることでの弊害もまだ残っているので気軽に受ける気持ちは大切ですが、リスクや自分自身の健康状態などはきちんと把握した上で受けないと万が一の可能性ということも否めません。

 

<これを受けるとどう変わる?米国の例>

30歳以上の女性は細胞診もハイリスクHPV検査も陰性であればHSIL(CIN2・CIN3)以上の病変がある可能性はほとんどないとされています。

更に、その5~10年のあいだにHSIL以上の病変が見つかる可能性も低いので、次の検診は5年後でよいとされています。

その逆で、細胞診が異常なしでもハイリスクHPV検査が陽性の場合は、病変が見逃されている可能性と将来的にHSIL(CIN3)以上を発症するリスクが高い可能性があるので、1年後の再検査を必ずうけましょう。

引用:よくわかる最新医学「子宮がん」より

※セクシャル・デビューしてまもないと病的な意味のない一過性のHPV感染が増える為(陽性反応が出やすい)に20歳代の併用検診(細胞診とハイリスクHPV検査両方を受けること)は進められていません。

 

これには私自身、一部賛成。

「細胞診でもハイリスクHPV検査の両方で陰性ならまず病変がある可能性はゼロ」これには、納得。

本当に、疑いの余地のない言葉の通りだと思います。

ただ、「更にその5~10年のあいだにHSIL以上の病変が見つかる可能性も低い」ついては、疑問が残ります。

理由は、セクシャルデビューして1回でもなると言っているのにも関わらずなぜ急に5年も、はたまた10年も大丈夫になるのかは不思議です。

30歳からは大丈夫という根拠事態も良く分からなかったです。

 

人生長く生きていれば紆余曲折。

色々あるのが人生だと思います。

パートナーだって変わるかもしれません。

 

それに、その後ハイリスク型に感染した場合は稀にだけど進行速度が速まる(5年位)と言われているのにも関わらずです。

5年も10年も放置してて、大丈夫なのでしょうか?

それなら、そもそも受けないって事も選択肢にあるのではないでしょうか?

 

だからここは鵜呑みにせず自分だったらどうか?をという事を考えて自分にとってのベストな方針を見つけて欲しいなと思います。

 

ある医師は上皮内がんは99%ががんもどきだから、症状が出て初めて受診・検査すべしという方もいらっしゃいます。

これにはがんもどきだった場合に本当なら治療もお金も時間もそして大切な私の子宮も!何も掛けなくてよかったことを考慮してのことだと思います。

日本では、子宮は直ぐに摘出するという選択肢が出されますが泌尿器科で男性性器についてはすぐにその様な選択肢が出されることは少ないとどこかの書籍に書かれていました。

凄く悲しい。

実際、これに対してきちんと世界ではエビデンス(根拠)が存在しています。

だからこそ、上皮内がんは0期と呼ばれなくなったのが一つの答えだと思っています。

 

<組織診の分類別に見ると、今後の方針は?>

軽度異形成『LSIL(CIN1)』・中等度異形成『HSIL(CIN2)』

↑基本的にここまでの場合は経過観察(定期健診)になります。

 

・LSIL(CIN1)は6カ月ごとの健診

・HSIL(CIN2)は3~6カ月ごとの健診になります。

 

定期健診のみで特別な治療をすることはありません。

定期健診で「怪しいな」と医師が判断するとコルポスコピー細胞診などでプチっと子宮頸部の組織の一部を取って検査をします。

これを繰り返しているといつの間にか疑わしかった場所がなくなる場合があります。

(全部、取り切れちゃった!)

 

それに一度診断されたからと言って必ず進行するわけではありません。

進行して子宮頸癌になるのは世界中で0.15%程度

そして、HSIL(CIN2)→HSIL(CIN3)に移行するのは20%程度。

但し、だからと言って観察することを怠っていれば取り返しのつかない事もあり得ます。

だからこそ、定期健診は忘れずに行きましょう。というのが日本の医療スタイルになります。

 

まずはそもそもハイリスクHPV検査じゃないのかな?と思ってしまうのは私だけでしょうか。

 

<高度異形成『HSIL(CIN3)』・上皮内がん『HSIL(CIN3)』>

↑ここから治療が始まります。

これはステージによって区分されるかなと思います。

主に高度異形成の場合は「レーザー蒸散術・円錐切除術」が選択肢としてあり、

検査と治療をかねて円錐切除術」が推奨されています。

 

※まれに高度異形成で円錐切除術を行うとそれ以上の病変が見つかる場合もあるからです。

但し、高度異形成だからと言って必ずしもがん化するとは限りません。

 

そして、「高度異形成=HSIL(CIN3)」は”がん”ではありません。あくまでも”前がん病変”。

ここからがんに進行するのは世界で0.15%です!1%以下!

体験記録「初めてのお便り(診断結果)、病院巡り」からどうぞ。

 

上皮内がんの場合は

「単純子宮全摘出術~広汎子宮全摘出術」までと術式範囲が広がります。

この場合は、更に追加で検査が増えると思います。

私は血液検査、MRIと造影CT検査がありました。

(他にがんが転移していないかということです)

 

更に、私的に言わせて頂くと手術と言われた場合は即治療に入るんじゃなくて大切な子宮を守る為にもお金は掛かりますが、他の病院で自費で再度知らない顔して検査を受けてからでも良かったなと思いました。

混乱させるようで申し訳ないですが、こんな考えもあるのね位に思って頂けたら幸いです。

体験記録:「入院する前」からの検査記録からどうぞ

 

<わたしのことだま>

私は一度目の高度異形成の時は「円錐切除術」はせずに「レーザー蒸散術」のみで5年の経過観察の後に根治となりました。

二度目は高度異形成になり「レーザー蒸散術」を受けて1年後→再び「高度異形成」となり「円錐切除術」を受け、その際に「子宮頸癌1b1期」となりました。

これは私の一例になりますが、大掛かりな手術をする場合はその前に行う術前検査を受け充分に納得した上で受けて貰いたいなと思います。

(正直、この選択が100%ベストだったのかなと後悔してます)

術式も病院の設備や術者の技量によって出来ないものもあります。

そうした事をもっと調べても良かったのでは?と思っています。

 

私はどうしても気になる(治療する)なら…PHV検査を一度受けてみることを強く勧めます。

(記事「PHV検査とは?」)

 

理由は、自分の持っているヒトパピローマウィルスの型を知る事はとても重要だと思うからです。

実際に保険適用で受けられるのには制限があります。ガイドラインが改定されました!

ですが、本来なら高度異形成の時にも出来るのがベストだと思います。

 

実際に治療をする際に「レーザー蒸散術」か「円錐切除術」か。

この二つを選ぶ事も、本当に悩むところです。

そして、麻酔を使った手術を行う事に対するリスクもあるという事はあまり知られていませんが、考慮するべき点だと思います。

 

そしてその中でもPHV検査で自分がハイリスク型に感染しているならば「円錐切除術」にも納得出来たと思います。

ですが、「かも…」で選ぶにはかなりリスクのいる治療だと私自身は思っています。

早く、全てに保険適用されることを願っています。

それと、コルポスコープや超音波の画像などを自分の目で見る事は自分の今の状態を知る事はとても大切です。

是非、担当医師に「見せて下さい」とお願いしてみて下さい。

恥ずかしくても、大切な私の身体です。

 

そして、腺がんなどの病変の疑いの有無の可能性での「円錐切除術」についても難しい判断だとは思います。

「もしかしたら、無いかもしれないのに?!」というのは簡単に医師に言われたからと決めることは出来ません。

その為にも言われて実際に行う場合は、その前にセカンドオピニオン等も視野に入れる必要があると私自身思っています。

(ある書籍では、診療情報を持っていかず何も告げずに再度子宮頸がん検査を受ける方て再度検査して判断する方もいらっしゃるそうです。

その際は、自費の為高額になりますのでお気を付け下さい。)

 

一見すると医師たちからは無駄な行為だと思われるかと思います。

ですが、自分の身体を傷つける事に対して安心して自分が納得するための行為に何が無駄なのでしょうか。

一番の無駄は後悔する時間だと思います。私のように。

 

そして、病理診断も絶対ではない。人が行う事なので間違う事は稀でもあります。

 

最後にもう一度がんになるのは全世界で0.15%!!1%以下です。

その可能性を適当に受け流したり、逃げたりせずに深く研究者の様に自分の大切な体の一部を誰よりも知るのは自分だと忘れずにいて欲しいなと切に願います。

そして、それを無駄だと思う方に私の身体を預けてもいいのでしょうか?

こちらも併せて読んで欲しい。

過去記事「子宮頸部の上皮内がんは『がんもどき』?!」