「がん放置療法のすすめ」って何?その本質って?

こんにちは。

Mayurikiです。

今回は、著者:近藤誠氏「癌放置療法のすすめ-患者150人の証言」

のポイントと書評についての話になります。

<書籍・著者紹介>

近藤誠氏は元はがんの放射線治療を専門とし乳房温存療法のパイオニアと知られる。

現在は患者本位の治療を実現する為に、積極的に医療の情報公開をしている。

そして、この近藤誠氏が定説している「癌放置療法」を実際に実践した方達の

インタビュー記事と解説がそれぞれのがん別(臓器別)に紹介されているのが本書になります。

 

<ちゅうい>

本書のお話しする前に誤解の無いように言うと、

近藤氏は最初から全てのがんに対して「放置療法」を推薦してるわけではありません

例えば、急性白血病や悪性リンパ種のような血液系のがんに対しては

化学療法(抗がん剤)で治る可能性があるのでそちらを紹介(本書対象外)しています。

 

あくまでも放置療法というのは

肺がん、胃がん、前立腺がん、乳がん、子宮頸がん等の

「固形がん(腫瘍をつくる癌)」についてになります。。

 

また、固形がんでも、

抗ガン剤で治る可能性のある小児がん、子宮柔毛がん、睾丸腫瘍は

対象外になっています。

 

その他に肝臓の初発がんに対しても対象外としています。

理由は肝臓は症状が出る前に命の危険が生じる

可能性が高いからと記載されています。

 

<本書のポイント>

まず近藤氏が提唱している”がん”には「がんもどき」と「本物のがん」があります。

 

<「もどき」の場合>

病理検査で「癌」と診断されても他臓器に転移していないため、

放っておいても死なない癌のことを指します。

 

<「本物」の場合>

既に転移が潜んでいるため、治療しても治らない癌のことを指します。

がん細胞が生じて間もなく転移するので、

初発巣が発見できる大きさになったときには(転移巣を含め)がんを治す事は出来ない。

 

<この二つは区別出来るのか?>

顕微鏡で見ても細胞の形が同じなので病理検査でも区別は出来ない。

<但し、検討はつけられる>

進行度に応じて「もどき」の割合が異なる。

最も進行しているのは、

検査で臓器転移(主に骨転移)の存在が明らかになったケースは”本物のがん”。

逆に、

MRI(磁気共鳴撮影)で腫瘤があることが判明する場合は、大部分が「もどき」である。

 

<今回登場するがんの種類は?>

前立腺がん

子宮頸がん

乳がん

肺がん

胃がん

腎がん

膀胱がん合計7種類のがんについてです。

 

そして、そこにはそれぞれのがん別にケース(症状がバラバラ)として

患者さんの経過や”なぜこの療法が当てはまったのか”が記されています。

今回は全体の話をするのに留めて、「子宮頸がん」については単独で扱いたいと思います。

 

<がん放置の本質とは>

そして気になるがん放置療法をすすめるにあたって

最後に締めくくられる「がん放置の哲学」について。

 

まずは様子を見よう。

 

もし読者が「がん放置療法」に賛同される場合でも、将来がんと告げられたときに何が何でも放置を貫くぞ、力む必要はありません。がん放置療法の要締は、少しの期間でいいから様子を見る、という点にあるからです。

 

まさに、そうだなと思いました。

私のように焦って医者に言われたからと言って治療するべきではなかったと思います。

例え、それが実際に最良だったとしてもです。

少し遠回りだったとしても自分の一部を取る事、傷つける事になるので

疑問をきちんと1つ1つクリアしてから、受けるべきだったと思っています。

 

<ある韓流ドラマの話>

以前、韓国の時代劇ドラマで馬の医者と書いて

馬医(ばい)」という番組を見ました。

時代は朝鮮時代。

 

この時代の医学と言えば、

中医学(韓国なので韓医学になると思います)で

煎じ薬(丸薬なども)と鍼が主でした。

 

そこで異端でいかがわしい物だと言われながらも

患者にとって必要という事で「外科手術」を行う医師の物語になります。

 

動物にはバンバン外科手術が許されているのに人にはしていけない。

馬医は「馬以下」の扱いを受ける

 

そんな時代でも、どうしても煎じ薬や鍼だけでは限界がある症状もあります。

例えば、傷からばい菌が入り化膿して膿が溜まる。

これも傷口を小さく切開して外に膿を出してあげた方が早く治ります。

これも一種の外科的治療ですよね。

だからと言って、この主人公は全て手術療法をするのかと言えば違います。

きちんと患者の状態を見てから診断を決め、

必要な場合は手術をする。

手術をする時は自分の命を懸けて行う(今じゃありえませんが)。

ですが、人の命を扱う重みを誰よりも知る医師だからなんだと思います。

<昔に比べて今は…逆転している?>

つまり、今の方が簡単に手術が行えるようになりました。

それはメリットでもありデメリットでもあります。

 

そして、今は昔と違い沢山の情報が溢れています。

その中から本当に必要な情報を選び、天秤にかける。

 

それは即決できるものではないと思います。

せかすのは私の為なのか、医者の為なのか。

 

近藤氏も作中で

がん告知によって奪われた心の余裕を取り戻すのです。

そして、考えましょう、がんの本質や性質を

 

<紹介書籍・ドラマ>