こんにちは。
今回は、前回「健康診断で被ばく?!健康診断についてちょっと考えてみる。」に引き続き『健康診断』をメインテーマに”コレステロール”にスポットを当てて”高脂血症編”としてお送りしたいと思います。
最後まで読んで頂けたら嬉しいです。
前置き「高脂血症って?」≫
高脂血症って言葉はご存じでしょうか。
因みに、高脂血症=脂質異常症は同じ意味で2007年から脂質異常症と言われています。
(今回引用している書籍において高脂血症との記載なので、以下文章中も高脂血症と表記しています)
簡単に説明すると…
”高脂血症=基準値以上”となり、
病気と診断され
”分類と病態による分類”によって分かれます。
なぜ問題とされているのか?
”血液をドロドロにする”、”肥満のもと”、”数値が高いと心筋梗塞で早死にする”などと言われています。
未然に防ぐ為にも健康診断などで、血液検査の中で欠かさずチェックされている検査項目ではないかと思います。
因みに、検査結果の項目では「mg/dl」として表記されています。
高コレステロール血症の従来の基準値は”220mg/dl”としています。
つまり、高脂血症に対する基準値とは”これ以上になったら病気”と診断する数値のことを指します。
今回ははこの基準値について掘り下げていきたいと思います。
「基準値って何?」≫
そもそも、この基準値というのはいつ決まったものなのか?
1987年に基準値が設定された。
誰が決めたのか?
日本動脈硬化学会によって。
どんな基準で決めたのか?
専門家たちが「まあ、こんなところで」と決めた適当な数字だったことが明らかになっています。同学会は1997年に診療ガイドラインをつくる際にも、やはり科学的根拠もなしに”220”をそのまま採用。
P102より引用
-まあ。
最近その基準値が変った事はご存知でしょうか?
2014年、日本人間ドッグ学会と健康保険組合連合会が、独自の調査によりコレステロール値の新基準を発表しました。
どんな風に変わったの?
従来は男女共に200mg/dl未満を上限としていたが…
新基準の上限は、
女性は30-44歳は238、45-64歳は273、65-80歳は280、
男性は254となりました。
これによって何が変わったのか?
従来基準よりは、「病人」と判定される人が減った。
だが、しかし?
この数値も無意味です。
近藤誠氏書籍より引用
なぜ、無意味なのか?
それこそがコレステロール治療に対する問題点でもあり、引いてはこの検査に対する根幹なのではないのかな?と思います。
実際に、「高コレステロール血症(高脂血症)」と診断された日本人約5万2000人に、薬を飲ませてコレステロール値を下げたところ、値が下がるほど、脳卒中、がん、事故、自殺による死亡率が増え、総死亡率が高くなりました。
追跡調査した多数のデータでも同様の結果が出ており、血中コレステロールが最低限のグループがいちばん短命に。
一方、高コレステロール血症とされた女性の寿命は平均値の人たちと変わらず、男性ではコレステロールが高いほど長生きでした。
P101より引用
確かにコレステロール値が300以上と高すぎると、狭心症や心筋梗塞などに直結します。しかし、薬を投与してコレステロール値を下げても、死亡率は変わらないという研究結果がすでに出ています。それどころか、コレステロールが低い人ほど死亡率が高くなることもわかっているのですから、かえって危険。
P104より引用
更に付け加えるなら、
コレステロール値を下げると、細胞の働きが鈍って血管や組織がもろくなり、脳出血を起こしやすくなる。抵抗力が落ちるため、感染症になりやすく、がん細胞も増殖しやすくなる。神経細胞の働きも悪化し、不眠やボケ症状が出て、うつ病や事故につながることも。
P101より引用
実際の心筋梗塞発症率から見てみると…
日本人の心筋梗塞発症率はアメリカ人の3分の1程度で、さらに女性は男性の半分程度なんです。
P105より引用
女性だけを取り上げるとこんな弊害が起きていることも…
更年期に入ると、女性ホルモンの減少により、コレステロールが高くなってくるため、新基準になっても、閉経後、健診や人間ドッグで「高コレステロール血症」と診断される女性は山のようにいます。
P104より引用
実は、欧米では「女性にコレステロールの薬は不要」が常識です。
米国医師会の論文では、「女性に対するコレステロール低下治療薬は、たとえ心血管系疾患の既往歴があっても、死亡率を改善しないので不要」という結論が出ています。
P105より引用
その他にも高血糖の薬も同じとの指摘もありました。
今回は、本題と逸れるので割愛させて頂きます。
そもそもコレステロールって敵なの?
コレステロールは細胞膜の重要な構成要素で、脳や神経にもっとも多く、各種ホルモンや胆汁もつくる、人間にとって非常に重要なもの。本当は”長寿のもと”なのです。
P101より引用
これから、どう付き合うべき?
この根幹という点において言及するならば…
根幹が揺らぐ=検査の有用性そのものが問われかねないと言った危険性がはらんでいることにもなります。
だからこそ、その必要性を叫ぶ人は必ず居ます。
実際のところ、コレステロール値を調べる事自体は私自身、自由だと思います。
それによって実際に300ml/dl以上の基準値となった方にとっては、まさしく必要不可欠である事に変わりはありません。上記の方ですよね。
今まで300mg/dl未満の人達も定期的に検査をする事で300ml/dl以上の数値が出た場合には、その検査までの期間(毎年受けているならば、受けるまでの1年間の間)を振り返る事で、今までの生活習慣の見直しにおいても今後の生活習慣を考える際においても有効だと思います。
特に、男性は。
だからこそ、コレステロール値を検査して調べる事自体は悪いことではなく、その結果に対してどう判断し対処していくかが重要です。
健康診断でその数値をただ基準値内だからよい、基準値以上だから即治療などと思わずに受診した医師に詳しく聞き、自分で納得して治療するか、生活習慣を考えていくべきではないのでしょうか。
あとがき≫
今回は健康診断での視点にスポットを当ててお話しましたが、私自身、他人事ではないと思っています。
なぜ、そう思うのか?
以前、別の記事でも軽く触れさせて頂きましたが、著者近藤誠医師の書籍「近藤誠の『女性の医学』」にこんな記載が載っていることをご存じでしょうか。
簡単に言えば、コレステロールとがんの関係についての記事内容となっています。
こちらの関係についても詳しくは又別の機会にでも記事にしたいなと思いますが…
コレステロールは、私達の細胞を作る上でとても欠かせないものの1つです。
そのコレステロールを逆に減らしてしまう事で起きる弊害について言及しています。
つまり、コレステロールを減らす事でがん細胞を増やしてしまう?結果になってしまう場合もあり得ると示唆しています。
誤解の無き様に付け加えるなら、全てのがんに当てはまる事ではありませんので悪しからず。
それによって、何が言えるのか?
自分自身が当てはまるのか?
はご自身で調べて納得した上で判断して欲しいですが…
こう言った話は知る機会が中々無い内容だと思います。
こう言った事があると分かっているならば、”私ならどうなのか?”を知る事によって、無駄にコレステロールを悪者扱いにする必要もないしもっと楽しく食事も楽しめると思います。
痩せたい、ダイエットしたいと思った時にも、流行に乗って低脂質ダイエットや低炭水化物ダイエットを闇雲にやるのではなく自分の体質を知った上で行う事がとても重要です。
是非、がんそのものだけの知識だけではなく、それを取り巻く医療の世界やことを色んな視点から知って欲しいなと切に願います。
別記事「知らなきゃやばい…医療リテラシーって何?」
↪ガンを呼び起こしてしまう原因の1つとして「食事制限」を挙げています。
その食事制限の内容の1つとしてコレステロールが深く関与していることを私自身、本記事で理解しました。
ピンバック:健康診断に要注意?!その治療って必要?身近な血圧から考えてみる。 | MAYURIKI_relife