こんにちは。
今回は「葛根湯の話」ではなく、「風邪」に対する「漢方」のちょっとした話になります。
<私の思い込み?>
私はCMの影響なのかいつの間にか「風邪には葛根湯だ」と思っていました。
”西洋の薬よりは安全で手軽に使える東洋のお薬”。
そんなイメージを持っていました。
なので病院で風邪の時には「葛根湯」を何の気なしに処方して貰ったりしてました。
先日も薬局で「葛根湯」を購入しようかと品定めしていたばかりです。
(この時はエキス製剤と粉で迷いに迷って見送りました)
ですが、最近出会った漢方の初心者向けの本に興味深い記事が載っていました。
そのままズバリ『「かぜに葛根湯」は正しいか』です。
「え?違うの?」って一人、自問自答していました。
<書籍内容>
以下、抜粋
葛根湯が効くかぜの患者さんは、全体の三割くらいしかいないと私は見ています。残りの七割は葛根湯では効かない、もしくは不十分だと感じています。私も子どものころ、かぜをひくといつも葛根湯を煎じて飲まされていました。~中略~「葛根湯が効いた」という実感がまったくないのです。
実は、かぜの治療に使う漢方薬は種類がたくさんあり、葛根湯はそのひとつにすぎまさせん。
これにはちょっとビックリ。
わたし、誤認していました。
実際には葛根湯が効く人には劇的に効く。
それを見分けるのには簡単に言えば体型、体質、症状の「タイプ」によって変わる。
これを漢方ではタイプ=「証」と言います。
同じ「かぜ」でも、証が違えば薬は異なります。
そうですよね。
じゃあ、なぜわたしは「風邪の引き始めには葛根湯」と思っていたのか?
…”思い込み”ですよね。
あ~無知って怖い。
実際に、「どんな証(=タイプ)があってどんな漢方薬があるの?」か?
<漢方薬の種類>
かぜに使う漢方薬の代表は桂枝湯(けいしとう)と麻黄湯(まおうとう)です。
そしてその中間タイプのかぜをひいた場合によく効くのが「葛根湯」になります。
<証(=タイプ)>
患者①二十五歳の男性。比較的がっちりした体型の青年。
症状:ゾクゾクと寒気がする。咳はなし。身体の節々が痛む。滅多に風邪を引かず引いても年に一度程度。普段は元気。脈が力強い。
患者②:記載なし
症状:普段から丈夫ではない。汗がでてのぼせや鼻水などがある。悪寒はそれほど激しくない。脈が弱い。
患者③:四十五歳女性。
症状:ゾクゾクと寒気がする。身体の節々が痛む。特にくびから肩のあたりが痛む。
<処方>
患者①には「麻黄湯(まおうとう)」
理由:普段は丈夫な人がかぜにかかり、激しい悪寒がして汗が出ずに高熱になり、関節などが痛む場合によい。(若い人、普段元気な人に合う場合が多い)
服用後:一気に汗が出て治癒する。
服用回数:いったん汗が出たら何回も飲む必要はない。
患者②には「桂枝湯(けいしとう)」
理由:脈が弱い場合は麻黄湯ではなくこちら。稀に妊婦のかぜにも(注意が必要)。
患者③には「葛根湯(かっこんとう)」
理由:寒気がして汗が出ず、頭痛や肩、くびの筋肉のこりがある場合によい。
と、言った感じになります。
これも大まかな代表的なものになるのであしからず。
<漢方薬について>
そして、
漢方薬はすべて、いくつかの決まった生薬からなっていますが、葛根湯は麻黄湯と桂枝湯の中間の様な構成になっています。ですから、麻黄湯が効く方にも桂枝湯が効く方にもそれなりに効果を表す便利な処方としてとらえている医師も多いようですが、やはりもう少し適応を考えて使い分けてあげるのがよいと思います。
とのこと。
私自身も、安易に決めつけずもう少し漢方について勉強したいなと思います。
この書籍が気になった方も、一度体系的に漢方を知りたいと思った方にも読んで頂ければと思います。
私は手元に置いて指南書としておきたいなと思います。
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