こんにちは。
今回は、書籍「治る前提でがんになった」から「がん闘病から学んだ患者学」をピックアップしてレビューしたいと思います。
<前置き>
著者自身ががんサバイバーである。
そこから学んだことは今後なりたくないけどもしなった時には、自分自身だけならず身近な大切な人の為の参考になると思います。
知識がないより、ある方が今後治療方針やライフプランを考える上で余裕が生まれやすくなります。
余裕を持つことって軽視されがちですが、本当に大切だと実感します。
<本題>
”思考は現実化する”。
・引き寄せてしまったのか
間違った思い込みによって招いてしまった(引き寄せてしまった)と感じる著者の心の在り方に対する分析は遠からず、私自身も感じて考えたことでした。
それに対して、著者はそのままにすることなく、病に対する自分の間違った思い込みを「思考の上書き」という方法を使って実践しています。
具体的な上書き方法は、”瞑想”と”アファメーション”です。
簡単に説明すると瞑想と言うのは、
一度は聞いたことがある方も居ると思いますが、自分の呼吸を意識しながら頭に浮かぶ雑念に囚われずに受け流す、又は俯瞰することによって雑念を鎮め頭の中を空っぽにします。
この状態を瞑想状態と言います。
瞑想状態になってから、アファメーションを行っていきます。
アファメーションというのは、速読をする際にも用いられるテクニックで自分の脳への働き方を変える為に行う方法です。
どういう事かと言うと、新しい考え方をポジティブな表現を使って自分自身に言い聞かせたり、刷り込ませる方法になります。
「これからは、家族と共に健康に暮らしていく。もう病気になる必要はない」など
これを著者は寝る前に毎晩行っていたそうです。
これは、私自身も既に似た事を行っているのでは?と、感じます。
私の場合だと、
「今日も無事に穏やかな一日を過ごすことが出来ました。又明日も最良な1日をお与え下さい。甘んじて受け入れます」と、言って眠りにつきます。
そうすることで、確かにアクシデントがあると確かに最初は慌てますが、心の在り方、受け取り方が変わっているのを実感します。
「これは、最良な選択によって訪れたことなんだ」と。
確かに、寝坊してしまったなど具体的な失敗などに対しては対処の仕方が見つかりますので実践しやすいですが、偶然なのか必然なのか分からない出来事は生きている上で何度か体験することがあると感じます。
(きっと、凄い人ならその原因になりえることを突き止めることは出来ると思いますが)
そんな時にこそ、悲観的な1面だけにフォーカスするのではなくまずは現状を肯定し、ポジティブな面を見つめることは治療をする上でも生きていく上でも大切なんじゃないかなと思います。
そして、それを分かり易くテクニック(手法)として紹介している著者はさすがビジネスマンだなと思っております。
・幸運と思うのか運命と思うのか。
とても辛い病を次から次へと経験した著者も、数々の巡りあわせやタイミングがあったことに感謝しつつも、それは「偶然」や「運がよかった」という一言では片づけられないとしています。
それは、なぜなのか?
数々の巡り合わせも偶然や幸運だっただけでは説明がつかない位の絶妙なタイミングのお陰で無事に寛解することが出来た。
そして、多くの気づきや学びを得ることが出来た。
普段、仕事漬けの日々で自分の身体からのサインに気づきにくくなっていた事も事実だと認めながらも、それは、いわば治る前提でがんになったとも、言えるのではないか。
そう言った、新たな考え方(視点)が生まれた事によって著者は
私は自分の人生にはがんが必要だったのだと考えています。自分と家族の人生をより幸せなものにするために、自分にとってはがんという経験が必要不可欠なものだったとおもうのです。
中々、言える言葉ではないと思います。
私自身も、こうした考えた方を知ったことでよりがんに対して悲観的な感情だけにならずに肯定して見つめること、引いては分析して(良い面も失敗した悪い面も)このブログに書く事が出来ていると思います。
・私は何を選択するのか?
そして、興味深い問をこの章で得ました。
それは、”自分自身の優先順位”について。
簡単に自分自身の優先順位は?と、聞かれれば何が何でも”命”と、答えられるかと思います。
それでもその”命”に対して、具体的な”質”を問われれば何を選択しますか?
最近は、この質問に対してのピッタリな言葉がありますね。
『クオリティーオブライフ』です。
つまり、自分にとっての本当の人生の目標は何なのか?です。
例えば、スポーツ選手にとって怪我をすることは選手生命の危機です。
命を優先すれば、選手としての命は絶たれる。
逆に選手としての命を優先したら万が一、命が絶たれる危険性がある。
それは、その人にとっての生き方そのものであり、何に重点を置くかと問われています。
それを、どう尊重するか。どう周りに伝えるか。
実際に現実問題として、問題になっている事が沢山起きていると思います。
最近ニュースでも取り上げられている人工呼吸器の取り扱いについてもその一例かと思います。
こうした話は、他人事ではないと思います。
もし大切な誰かが、自分がそうならないとも限らない。
そうなった時に、”私はあなたはどう選択するのか”一度話し合う又は伝えることが大切だなと思いました。
<書籍紹介>
本書では近藤誠氏の意見に否定的な部分がありますが、それは実際に後の近藤氏の書籍でこの本書を参考にしたのかな?という部分(加筆訂正)がありました。
本書は発行が2016年になりますのでそう言った点も踏まえた上でご一読頂ければと思います。
<あとがき>
この章では更に項目があり簡単に紹介させていただきます。
・がんにありがとうと伝えて手放すこと
・また、次いこうねと言える幸せ
・命を救ってもらった恩返し
本当に身をもって実感する項目です。
私自身としては、同じがんではなかったので治療方法などは参考にしようが無かったのですが、それでもがんを通して感じた、考えた物については共通する部分がありタメになりました。