その痛みは、本当にがんの痛みなのか?

こんにちは。

前回に引き続きの”がんの痛み”に対しての話です。

以前の記事≪がんの痛みは自分でコントロールできる?

<前置き>

以前の話では、痛みの原因と痛みの取り方(鎮痛剤)などについてのお話をさせてもらいました。

今回は、タイトル通りの”その痛みは、本当にがんの痛みなのか?”です。

現在、本当に辛い思いをしてる方への誹謗中傷などではありませんのでそう言った批判的コメントはお控え下さい。

あくまでも一度、一考してみる価値はあるのでは?と思い今回書かせて頂きました。

 

なぜなら、それほどまでに体へのダイレクトな肉体的痛みだけでなく色々な事情や状況によって心の痛みは時には大きなものになると私自身が体験して実感しているからです。

そうして、原因を様々な角度から検証することで痛みが少しでも緩和される事、また私のように漠然とした不安を抱え過ぎずに済むことを切に願っています。

分からないというのは、先が見えず怖くなることがあります。

私のイメージや世間一般のイメージだと”がん=痛み、苦痛”かなと思います。

ですが、その思い込みによって痛みが助長されているかもしれない?と、思うと嫌だなと思います。

まさしく、”病は気から”

 

ですが、その思い込みによって痛みが発せられているならば薬では効かず、さらに「私は治らないからなのか?」「私のせいなのか?」など余計に負の連鎖が起きて更に自分自身を苦しめてしまいます。

ですが、その痛みの正体(原因)が分かれば対処の仕方も見えてくる事もあるし、場合によっては痛みが緩和されたり、消えてしまうこともあり得ます。

 

だからこそ、ただ”痛い”と一言で片づけるのではなく、

その痛みは”どこがどんな風に”痛いのか。

また、”どんな状況でいつから”痛いのかを冷静に知る事で解決し易くなります。

 

そして、周りにいる家族や身近な人達も”痛い”と心配になることは出来ても、答えのない痛みを共感し寄り添い続けるというのは、思っている以上に大変で精神的にも辛いと思います。

現に介護と一言に言っても様々な状況が想定でき決して他人事ではないと思います。

だからこそ、理由をお互いに知り共有し合うことは今だけでなく今後の為にとっても、とても大切なことだと思います。

 

前置きが長くなってしまいましが、

そして、この痛みについて詳しく記された本書から参考になるなと思った文章を引用しつつ私の見解も交えてご紹介したいと思います。

 

<本題>

・がんの痛みだけはなぜ特別視されるのか

がん以外にも、痛みが大きな問題になる疾患は少なくありません。

 

確かに、ここまで色々な書籍や私自身の経験を照らし合わせても痛みが出ない人は居ると思います。

逆に、急性で起きる盲腸などは本当に悶絶すると経験者の知人が語っていました。

 

リウマチによる関節の痛みや、骨粗鬆症による背骨の骨折などの痛みも、個々の患者さんにしてみれば、やはり非常に大きな問題で、大変つらい思いをしています。

 

その他にも

たとえば四十肩や五十肩による肩の痛みや、椎間板ヘルニアによる腰の痛みなどは、痛みの強さとしてはがんよりも強い場合が少なくない

 

確かに、言われてみれば痛みの原因は違えど痛みというのは同じ様に起きています。

 

例えば、椎間板ヘルニアは骨と骨の間にある軟骨部分が圧迫される(つぶれる)事で痛みが出ると言います。

そしてがんの場合でも、がんが大きくなることで同じ様に圧迫される事で痛みが出る場合とでは、何か違いがあるのでしょうか。

 

実際に痛みを感じるのは当事者しか分からないとは思いますが、”がん”というだけでより痛みを助長してしまっている部分があるとすればそれはあまり良い事ではない気がしますね。

 

がん対策基本法が制定されてから、多くの専門家が「がんは初期から痛みなどの苦痛を伴うことがあるので、早い時期から緩和ケアが必要だ」と発言しています。

がんになったらとにかく痛みが生ずるのだ、という考えのもと、まさに国を挙げてきちんとした痛み対策を打ち立てようとしているわけです。

私には、こうした動きは結果として、がんの痛みに対する恐怖をあおっているのではないか、という感じにさえします。

 

がんに対する痛みを緩和してあげようという善意の思いに後押しされてきっと出来たはずの基本法がいつの間にか、一人歩きを始めていつの間にか速足になって本当は”誰のために作ったのか”という思いが置いてけぼりになっている様な気がします。

 

これに対する弊害は、実際私たち患者自身に返ってきているのではないでしょうか。

 

私が「がんの痛みは大きな問題ではない。私が診てきた患者さんたちの半数近くは痛みを感じていない」と言っても、多くの医療関係者は、「おまえのところでは患者さんたちに痛みを我慢させているに違いない」としか受け取られないのです。いくらデータを示し話しても、彼ら彼女らは、自分たちの実感とかけ離れているということもあり、なかなか理解してくれません。そのことも、この本を書かなければ、と思うきっかけになりました。

 

どう思いましたか。

これを、この医師一人の与太話と捉えますか。

 

確かにがんの進行によって臓器が圧迫されたらり、破壊される事によって痛みが出ることはあります。

ですが、それが絶対ではないという事実。

では、なぜ全員が全員に痛みが出てると感じるのか。

 

それには、ある話が関係していそうです。

”治療による痛み”。

 

あまり今まで語られることは無かったのですが、最近注目され始め海外では論文などでも発表されているようです。

ある方は、”医学病”、”医原病”と言う方もいらっしゃいます。

その話は、また別の機会にでもお話したいと思います。

 

今回は、簡単ではありますが”がん”というだけで痛みが助長してしまう、又は起きてしまう背景があることを説明させて頂きました。

それは、患者自身だけでなく周りの環境自体もそう言ったイメージを助長させてしまう原因があるということです。

それには治療による痛みがいつの間にか、”がん”の痛みにすり替えられている可能性を示唆する内容も含まれていました。

 

がんと一言で終わりにせず、こうした背景を知ることは決して無駄ではないと思います。

1つずつ不安を取り除く事で、もっとシンプルに深く自分のがんと向き合う道が探せると信じています。

最後までお付き合い頂きありがとうございました。

 

<書籍>

<あとがき>

私の経験としては、がんは初期だった事もあり痛みも違和感もありませんでした。

ですが、治療の為の検査による精神的負担の他にも肉体的負担がまったくないと言えば嘘になります。

「治療の為には必要です」と言われれば、何も言えません。

更に手術による痛み、後遺症は思っていた以上に負担でした。

確かに表面通りの痛み止めは処方してくれます。

ですが、後遺症による痛みへの対処方法は頂けませんでした。

それと、もっとも肝心な部分の説明はされていません。

それは治る為に仕方がないことなのかと今でも疑問です。

※こういった後遺症が出る可能性の話はきちんとされましたし納得して同意書にサインをしたつもりです。

医師の「治してあげたい。これをやればきっと良くなります」という思いはとても嬉しいし、頼もしいと思います。

ですが、その後に治療による痛みは蔑ろにされているのは悲しい事です。

 

それが治らないと、なった時の苦しみは全て痛み止めで解決出来るのか。

 

私自身、患者となって甘えているのかもしれません。

忙しい医師からすれば、一々寄り添ってなんかいられないのかもしれませんね。

でも、それが大切な人ならば…?きっと、違いますよね。

 

そして、私自身も医師から”何か分からない事はありますか?”と聞かれた時に質問できるほどの知識が欲しいとも思いました。