こんにちは。
今回は著者:𠮷野 実香さんの本「癌と闘わない私の選択-私の人生、私が選んでいけませんか?-」
を読んだ感想と気になったことをまとめてご紹介したいと思います。
<衝撃!乳がん歴13年!?>
まず、最初にこの本を手に取った時にその帯に書いてある言葉に私は衝撃を受けました。
「乳がんになって13年、余命宣告をとっくに過ぎましたが、
それでも私…元気です。
結婚もして、仕事と子育てを両立してきました。
私は、長い闘病生活を家族と一緒に闘わせたくない。
自分の思いを曲げてまで、
苦しい思いをしてまで、家族のために生きなければいけないのかな?
最後ぐらい自分を優先してはいけないの?」
<この本の感想の前に>
私自身も子宮頸がんを患って治療して現在も経過観察を続けています。
その経験の中で、ずっとモヤモヤした気持ちだった事がありました。
それは、「この治療(手術療法)は正しかったのか?」。
私が受けたのは広汎子宮全摘出術という術式になります。
この術式は過去記事でも書きましたが子宮だけでなく、その周辺の臓器(頸管、膣の一部)と、それに加えてお腹から太ももの鼠径部までのリンパ節をごっそり切除する方法になります。
私の診断ステージは子宮頸癌1b1期(扁平上皮内癌)。
実際に、子宮などの臓器をとって最終的な病理診断をした結果も1b1期のままでした。
リスク度合いは口頭だけだったのでうる覚えですが、「低リスク」となります。
なので、これ以上の追加治療(放射線療法or化学療法)は不要となり、現在は経過観察中です。
そして、
<なぜこの手術療法が疑問に思ったのか?>
1.手術直後の経過が酷かったのに、何にもしてくれない。
(痛み止めは貰いましたが効果なく)
これは、私が治療を受けた病院側の患者のケアに対する認知不足または、方針の違いだったのかなと今は思っています。
色々なブロガーの方の体験談を読むと漢方、抗生剤を処方して下さるところもあるそうです。
残念な事に、私の場合は痛みに対しても「何で、でしょう」と「様子を見ましょう」ばかりでした。
2.転移してたら困るという理由でリンパ節も取ったけど、そこまでする必要があったのか?
私はこの手術の前に円錐切除術を受けました。
その時に主治医からは目で見て取れる範囲は切除したと言われました。
但し、細胞レベルでは分からないと言われ病理診断した結果「子宮頸癌1b1期」と診断され追加で「広汎子宮全摘出術」となりました。
ですがその後、
近藤誠がん研究所の重要医療レポート記事を読んだ事をきっかけに疑問が沸き、日本の婦人科治療の指針となっている治療ガイドラインを出している日本婦人科腫瘍学会のHPに記載されている資料を読んで、より一層そう思うようになりました。
(気になる方は是非一度ご自分の目で見て判断して頂けたらと思います)
3.後遺症に対して書類の上では羅列されていたけど、本当の意味でなった時に対するケアや認知が薄い。
実際に私の治療を行った病院を例にとれば「リンパ浮腫外来」はあっても、特別なケアは出来ないと言われました。
その程度の知識だけで後遺症のアフターフォローが出来るのか疑問でした。
4.あるネット記事を見たときに知った一文。『婦人科での一番の大掛かりな手術は「広汎子宮全摘出術」である』。私が治療した病院は、大学の付属病院。
気付きましたか?
そうです。
私、モルモットだったのかもしれません。
5.そして、最後が知り合いからの言葉です。
私が「腹腔鏡手術は駄目で開腹手術じゃないと駄目と主治医に言われ納得出来なかった」こと、「また開腹手術の際にへその横から鍵のような形で縦に20センチ程切開して切る」と言われた事に対して疑問を持っている事を知り合いの元看護師の方に話をすると「大学病院はおっきく切って、おっきく取る」と言われたとき。
<分かったこと>
もう、ここまで書いてお気づきの方もいらっしゃるとは思いますが、
こんなに疑問になってたのに何で私は手術したのか?
実際、手術前に疑問になったのはと2と5だけで、手術後に1と3と4が生まれた感じになりまが…
それでも、本当に自分の愚かさ加減にうんざりします。
ようは、「わかったつもり」になっていて本当は、ただの無知だった。
(「井の中の蛙大海を知らず」)
と、かなり前置きが長くなってしまい申し訳ありません。
<本題>
<まずは1つ目のチェックポイント:著者について>
この本が発売されたのは2016年5月18日。
そしてこの当時、著者は既に余命宣告2年を過ぎて3年目になった時にこの本を出版されたようです。
そして、ブログを今現在も更新されています。
そして”今を生きて”、後ろ向きにならず”今日を思い切り生きる為に日々努力する”姿勢にはがん患者だなんて私は、思えませんでした。
つまり、
現在乳がんになって13年+3年9カ月=16年9カ月!
しかも余命宣告されてからは、
3年+3年9カ月=6年9カ月が経っています。
もう何が5年生存率、10年生存率なの…?と、思ってしまいました。
<チェックポイント:2>
二つ目が作中で所々紹介されるホスピスについて。
著者自身もホスピスではご年配の方達が多く、自分を子供扱いされると記していました。
また、ホスピスは緑が多く入院する病室に対する縛りもなく面会は24時間、家族が泊まるのも自由。
「自宅と同じように」というコンセプトだと知り、もし自分の時は…と考えた時にも選択肢の一つとしてちょっといいかなとも思いました。
ここで紹介されていたホスピスを知ると今まで抱いていた固定概念が変わります。
私自身の希望は自宅でゆっくり最後を迎えたいのが第一希望ですが、もし家族に迷惑が掛かるのならホスピスを自ら選ぶことは悪い事ではないなと思えました。
そして「ホスピス」=「治療をせず、痛みをとる」ことにのみ注力する。
そうすると、例えば
過剰な検査もない。
実はここで初めて知ったのですが、
検査は治療する為にしか行わない。
と言う事を。
(治療を希望する場合は転科になるのかな?と、思ったりします)
著者も仰っていたように治す治療ではなく、生活をしやすくする為の処置というのも今後出来てもいいのかもしれません。
ただし、その場合はがん活性化になりそうな気もするので難しい所ですね。
<チェックポイント:3>
3つ目の注目すべきことは、「眠っているがんを起こしてはいけない」の著者近藤誠さんが言っていた「がんもどき」と「本物のがん」がある中で著者みかさんのがんは「本物のがん」であると述べていること。
(実際に近藤医師に診察はされていないようですが、作中で著者みかさんの主治医からは「悪性のがんです」と言われているシーンがありました)
タイトル「眠っている~」作中の中で近藤誠さんは
「本物のがん」の時は治療しても転移するし、どうしようもない。
むしろ治療すると眠っていたがん細胞を起こしてしまう。
という事を指摘していました。
つまり、著者みかさんは地で実践されている方。
…す、すごい。
<わたしが一度この本を読んで欲しいと勧める理由>
もし乳がんの方だけでなく治療を悩んでいる方が居たら
「こういう選択をする人もいるんだ」と言う参考になるはずだからです。
同じ様に実践しろとは言いません。
強要もするつもりも毛頭ありません。
大切なのは、”知ること”。
焦って治療法を選択すると「これで本当に良かったのかな?」と悩むときがあります。
焦っている時は本当に視野が狭くなります。
私のようになる前に、がんと宣告されて焦って治療する前に一度立ち止まってから考えて見ませんか。
情報収集して全体像を知って、そこから自分にとっての最適な方法を探してからも遅くはないとは思いませんか。
(その時の健康状態によって変わると思いますが。既に症状が出ている場合は除きます)
しかも今回の本は読むのが遅い私でさえも、2時間ちょっとで読めたので立ち止まってる時間に入るのかな?とも思いますが…
ただし、
ただ何となく怖いから、治療したくないからという理由でこの選択を選ぶのは違うのでは?
と、著者も自身のブログでつづっていて私自身も、とても考えさせられました。
<読んでみて私自身が変わったこと>
私もがんについて改めて勉強すると自分の無知さに本当にビックリしています。
もう少し、じっくり分析して届けたいと改めて奮起させられました。
そして、こういった方が居るというのは医療の場(診察室など)では教えて頂けません。
そりゃ、医師は忙しいし…一々探して「こんな方もいますよ」とは言ってくれません。
ましてや、手術を勧めている医師の立場から治療を断った方、
選択した方の話は聞こえてくるわけがないと…
なんと、妄信していたのか‥‥私!
自分で探して見つけていくしかない!と思いました。
素敵な方にこうして巡り合えた事に感謝です。
そして最後に。
以前、TVドラマで「恋はつづくよどこまでも」の作中の中で根治を目的とした治療を受ける事は求めてはいないけど、今の苦しさを改善する為のクオリティオブライフを求める治療を受けたいと希望する患者に対して主人公が処置を行うという描写が描かれていた事がありました。
医師としては複雑な立場だとは理解できますが、そう言った選択肢を選んだ人に対する治療体制が自由に選べるような世の中になって欲しいなと思います。
どう選択するかは、最終的に決めるのは治療する医師ではなく治療を受ける患者本人であって欲しいと思います。
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